それなりの成績もあげてきた。上司とも上手くやってきたつもりだ。でも、知らない間にそのリストに入れられていた。会社は上場を控え、証券会社から当然アドバイスをうけていた。そして、自分に対しても少し兆候はあったのかも知れない。突然、ライフデザイン室への異動が告げられた。多分、いろんな力が働いているのだろうと思った。「くそサラリーマン、ぶっつぶしてやる」ぐらいな凡庸な言葉しか思いつかなかった、その時は。「6月30日までに机を片付けてライフデザイン室へ荷物の移動をしてください。」きわめて機械的なメールが配信されてきた。ライフデザイン室とは、リストラの第一歩で次のライフをデザインするところで、所詮は首きりなのだ。